現在、日本国内で最重要課題となっている病気の一つに「心の病」があります。
令和7年1月15日に厚生労働省が「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」を開催した際の資料では、「精神保健医療福祉の現状等について」が取りまとめられています。
参考元:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001374464.pdf
精神疾患の入院患者と外来患者の数は、平成14年では約258.4万人であったものが、令和5年では約603万人まで増え、実に2倍以上になっています。
また、年齢階級別の精神疾患の外来患者数の内訳をみると、働き盛りと言われる25歳から64歳までの層では、平成14年では約137.9万人であったものが、令和5年では約290.2万人と、こちらも2倍以上に増加しています。
様々な原因が考えられますが、日々変化する社会環境や労働者不足による長時間労働、相変わらず横行するハラスメントや見逃されがちな心のサインなどが考えられます。
政府は、これらの課題を少しでも解決できるよう「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」(参照元:https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/)を推進しているところです。
実際、令和5年から令和6年にかけて、それぞれの患者数は微減していますが、相変わらず、「心にまつわる病」により、仕事をリタイアする方も少なくありません。
心の病により、社員の欠員が生じるとその企業は大きな痛手を被ることになりますが、そのようなしわ寄せを受けるのは大企業や中小企業といったサイズに関係はありません。
しかし、サイズに関係ないとはいえ、やはり中小企業では1人が抱える業務量の幅が広く、簡単に代わりを探すことが難しいといった側面があり、人材不足の波は常に経営者の悩みの種になっていることも事実です。
今後、政府が推進する対策とともに各事業所が自社でできることを探し、必要に応じて外部の専門機関に委託するニーズが増えると考えられます。
そこで、今回は、これから訪れるカウンセラー不足に着目し、取得により独立や開業が可能な資格をご紹介します。
現在、カウンセリングに関する資格の取得を考えておられる方やカウンセラーとして独立や開業を考えておられる方には必見です。
※掲載情報は2026年1月時点のものとなります。最新情報は、各公式サイトでご確認ください。
1.カウンセリングの種類
| 資格名称 | 受験形式 | 受験料 | 学習期間 | 認定団体 | 認定団体URL |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. 産業カウンセラー | 会場受験 | 36,170円 | 6~12か月 | 一般社団法人 | 日本産業カウンセラー協会 https://www.counselor.or.jp/ |
| 2. メンタル心理 | 会場・在宅受験 | 5,600円 | 3~5か月 | 一般社団法人 | 一般財団法人日本能力開発推進協会 https://www.jadp-society.or.jp/course/mental/ |
| 3. ケアストレス | 会場・在宅受験 | 36,170円 | 3~5か月 | 一般社団法人 | 一般財団法人 職業技能振興会 https://fos.or.jp/ |
| 4. メンタルケア思考カウンセラー | 在宅受験 | 7,800円 | 1か月(最短2週間) | 一般社団法人 | 日本キャリア能力推進協会 https://jcasa.earthcareer.me/ |
| 5. 看護師 | 会場受験 | 5,400円 | - | 一般社団法人 | 公益社団法人日本看護協会 https://www.nurse.or.jp/ |
| 6. 公認心理師 | 会場受験 | 28,700円 | - | 一般社団法人 | 一般財団法人 公認心理師試験研修センター https://www.jccpp.or.jp/Top.cgi |
1.産業カウンセラー

| 難易度 | ★★☆☆☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 一般社団法人 日本産業カウンセラー協会の養成講座(6か月または10か月)を受講・修了後、試験(学科・実技)に合格された方が協会に登録し、資格呼称を使用した活動が認められます。 |
| 向いている人 | これまで、ビジネスの場面で中立的な立場に立って仕事をされてきた方や自身の持つ尺度を用いず、相談者の業務量の多さ、業務内容などの悩みに対して耳を傾けられる方。 |
| 仕事内容 | 民間企業の人事部門からの依頼を受け、メンタルの不調を訴える相談者のカウンセリングを実施し、必要に応じて産業保健師や産業医につなぐ。 また、職場環境の改善に向け、必要なアドバイスや従業員を対象とした研修を行うことができるなど、心の病を未然に防ぐ役割もある。 |
◇おすすめオンライン講座
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
https://www.counselor.or.jp/
2.メンタル心理カウンセラー
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 一般財団法人 日本能力開発推進協会の認定講座(通信教育講座・資格のキャリカレ)を受講・修了後、試験に合格された方。 |
| 向いている人 | 他人の心に寄りそうことができる傾聴力があり、かつ、自身の言葉で相手に納得感を与えられ方。 これまで、社会的弱者(障がい者や介護が必要な方)と一緒に暮らしたり、ともに仕事をしてこられ、相手への配慮ができる方。 |
| 仕事内容 | 企業に限らず、高齢者施設や障がい者施設、医療機関や教育機関など、さまざまな場所で悩まれている方を対象とし、相談者の心の負担を軽減させる。 特に教育機関ではスクールカウンセラーとして、生徒や児童の悩みに向き合い、必要に応じて他の機関(病院や施設など)と連携する。 |
◇おすすめオンライン講座
通信教育講座・資格のキャリカレ
https://www.c-c-j.com/course/psychology/mental/rn/
3.ケアストレス心理カウンセラー

| 難易度 | ★★☆☆☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 18歳以上 |
| 向いている人 | 過去に福祉の仕事や福祉関連のボランティアに携わるなど、他者への共感ができ、粘り強く悩みに耳を傾けられる方。 また、介護施設や医療機関などにおける悩みの種類は人によって異なるため、解決に向けたサポートの方法や悩みに沿った関連機関の知識がある方。 |
| 仕事内容 | 介護施設や医療施設から依頼を受け、高齢者本人の悩みはもちろんのこと、そのご家族の悩みや今後の方針、希望などを聞き取り、必要な関連機関へつなぎ、ストレスを軽減させる。 また、高齢者問題に限らず、企業や医療機関などにおいて、時に「傾聴」、時に「アドバイス」といった使い分けを行い、特にストレスが強いと考えられる中間管理職や現業職の心の負担を最小化させる。 |
◇おすすめオンライン講座
ヒューマンアカデミー通信講座
https://haec.athuman.com/shop/g/g1245T051/
4.メンタルケア思考カウンセラー
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 日本キャリア能力推進協会の指定講座(資格のリクフィア)を受講・修了後、試験に合格された方。 |
| 向いている人 | これまで、ビジネスの場面で培った対人スキルに自信のある方。 特に相手に対して「安心感」や「信頼感」、「受容感」などをアピールでき、かつ地味な学習領域も挫折せずコツコツ研鑽できる方。 |
| 仕事内容 | 心理学を基礎として学ぶことにより、企業内の人間関係や業務内容で悩まれている相談者の立場に立ちつつ、単純な傾聴だけではなく、時には思考の偏りを補正する。 相談者の多くは、思考の崩れによるメンタル不調者が多いため、抱える悩みの根本的な課題(企業と個人間、企業と取引先間に起因するもの)を模索し、二人三脚で解決の道筋を立てる。 営業職やサービス業といったストレスのたまりやすい職種の方に多く見られがちな思考パターンを把握し、適切なストレスのケアをすすめる。 |
◇おすすめオンライン講座
資格のリクフィア
https://licfia.com/
5.看護師

| 難易度 | ★★★★☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 看護大学・短大・専門学校などで必須科目を履修し、看護師国家試験に合格後、数年間の臨床経験を積むこと。 |
| 向いている人 | 看護師の免許は取得しているものの、総合病院やクリニックといった組織では、自身の能力を発揮する場がなく、相談者一人ひとりに向き合い、課題を解決したいと考えている方。 |
| 仕事内容 | 企業や教育機関などで、医療専門の部署からの委託により、従業員の健康診断や健康管理のマネージメント業務をすすめる。 また、現在、多くの企業が実践しているストレスチェックの実施後、必要に応じて産業医や専門機関へつなぐ。 |
◇おすすめオンライン講座
PASONA
https://www.pasonamedical.com/rn-seminar/program2/
6.公認心理師
| 難易度 | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 受験資格 | 心理学系、またはカリキュラムに対応した大学で、公認心理師受験に必要な科目の単位を取得し、試験に合格した者。 大学卒業後、厚労省が認めるプログラム実施施設で2年以上の相談実務経験を積んだ者。 |
| 向いている人 | 心理学を基礎知識として学び、感情的にならず、相手と向き合い誠実に対話を遂行できる方。 成果に捉われず、相談者の心の悩みの解決に向け、根気強く傾聴し、多角的な解決案を提示できる方。 企業の管理職など、マネージメント経験があり、組織のリーダーとして複数の部下を率いてきた経験のある方。 |
| 仕事内容 | 相談者からの信頼を得ることにより、課題の解決に向け、企業の決定権を持つリーダーへ適切な提案をする。 児童相談所などで心に大きな傷を負った少年少女に対して、大人が味方であることを理解させ、今後の人生設計の要となる心理的ケアを行う。 犯罪や犯罪被害者など特殊なケースの相談者に対しても適切な解決方法を提案する。 |
◇おすすめオンライン講座
聖徳大学通信教育学部
https://tk.seitoku-u.ac.jp/tk/lp/k_shinrishi/
まとめ
今回、ご紹介した資格は、すべて取得により独立が可能なものです。
もちろん、企業内で雇用され、人事部局などで働くことも可能ですが、企業としてはカウンセラーを直接雇用するよりも外部に委託する方が安価に抑えられる場合があります。
そのような隙間産業を狙い、適切な営業を行うことにより、業務の幅はどんどん広がり、口コミによる新たな紹介なども期待できます。
今後、ますます増える精神疾患の患者の対応には、企業だけではなく、福祉関連の職場や教育関連の現場でニーズが増える一方ですので、思い切って独立を視野に資格の取得を目指されても良いかもしれません。

